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2015年11月13日 (金)

笠置寺・海住山寺を行く。

何時取ったかわからないが手元に観菩提寺、海住山寺、笠置寺のメモが有る。今回奈良に泊まったのでそのうちの海住山寺と笠置寺が加茂駅笠置駅と近くに最寄りの駅が有る。ただ列車が1時間に一本ないし二本しかないのと海住山寺の方はバスが二時間に一本なのが一日に両方廻るのは不可能に近いと感じる。

その上、両寺とも30分から40分の急登とある。この為に一週間前から江戸川土手を散歩の途中で土手登り降りを14回繰り返していた。しかし昨日の山の辺の道を歩き思いのほか足に利たので海住山寺だけにしようか出発まで迷った。最初から第一目標は海住山寺とし朝7時12分の列車で笠置に行き往けるだけ行って時間内に見学仕切れなかったら途中でも移動しようと初志通り決行した。此れだけでも心配性の老人には大変な決断なのだ。

笠置では駅の近くから登山道になる。急な自然道と回り道の車道があるが迷いなく車道を行く。ところがこの車道も平らな所の無い急登だった。コンクリートの粗打ちで円形の打ち抜きの滑り止めが並ぶ色気のない道をゼイゼイハァーハァー言いながら事前のトレーニングのお蔭もあって無事、寺に着く.拝観料を納め山内の案内図を束の中から取り一周を開始する。受付が無人なので早朝でも拝観できて助かった。
このお寺は飛鳥時代から栄、山岳宗教の修行場としてまた高名な僧侶による宗教改革の先端として意義のあったお寺だったそうだが後醍醐天皇の元弘の乱により全山焼失した。

やっと山門が見えてきた。
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良弁、実忠が彫った弥勒菩薩磨崖仏像だが元弘の乱の戦火により彫られた線が見られない。
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右が正月堂。
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千手屈 お水取り業法を感得し実忠が弥勒磨崖仏の礼拝場の正月堂で第一回のお水取りを行った。
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虚空蔵菩薩磨崖仏像
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胎内くぐり
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巨岩の重なりを縫って進む。
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平等岩
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ここから木津川を望む。
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後醍醐天皇軍が崖の上からこのような岩を落とした。揺るぎ石。
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紅葉公園 紅葉は未だと思っていたので感激。
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後醍醐天皇の行在所跡。北条幕府に監視されていた御所から女装で逃れここで天下に討幕を号令をした。
後醍醐天皇の陰で北朝の光厳天皇は歴代天皇にカウントされない人物だが譲位の後仏道に励み晩年、周山に常照皇寺を開き名刹として現在も存在する。

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受かりける 身を秋風に 誘われて 思わぬ山の 紅葉をぞ見る。後醍醐天皇  小生は反対の意味であるが思わぬ紅葉に感激した。
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大師堂
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山門を出ると桜の幹に
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磨崖仏と後醍醐天皇の乱の後を見学したいとの思いを前日の歩き過ぎの後遺症で無理かと躊躇したが達成してまた思いのほかの景観に満足感で一杯だ。
笠置駅で時刻表を確かめると予定より一時間早い電車に乗れる。足が攣って歩けなかったらと心配しながら一時間も短縮した。まだまだ活ける。

加茂駅からネットで調べたバスを待っていると木津川コミュニティーバスの二つの路線は2年前に廃線になっていると停車中のバスの運転手に聞きタクシーで海住山寺の手前の恭仁宮跡まで行く。聖武天皇は平城京から此処に遷都したが4年で又遷都する。気ままなものだ。
国分寺跡
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大極殿跡
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発掘調査の後はコスモス畑になっている。盛りは過ぎても綺麗だ。中央奥の鮮やかな黄色い銀杏の場所が大極殿跡地。
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海住山寺口まではなだらかな道を歩いたがそこからが笠置寺よりきつい急登
で必死に登る。所々に道標があり安心して歩ける。
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やっと山門に出る。
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11月15日まで秘法を御開帳している。本尊の十一面観音菩薩が素晴らしい。四天王の像も凄い。喘ぎ喘ぎ登った価値が有った。
国宝の五重塔
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本堂
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三社
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鎌倉時代の五輪塔
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一時間早く笠置から加茂に着いた分時間が余りバスが来るまで集落が途切れ畑、田圃の混じる広場でモズの声を聴きながらバスを1時間半待ったが久しぶりの解放感だ。やや冷たい風が心地よい。

メモは優しい十一面観音像を有する木津川の流れに沿った名刹の案内だったのかもしれない。

本町クリニック循環器内科・内科

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コメント

旺盛な好奇心が迸るような歩きブリ、その甲斐あって素晴らしい宝物や紅葉に恵まれましたね。

佐平次さん 動けるうちにと頑張ってます。

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