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2016年7月 6日 (水)

八十八面観音巡り

八ヶ寺の貴重な十一面観音様を参拝するツアーに行った。名付けて八十八面観音巡りだそうだ。

 

ネットを検索していたら六道輪廻と六観音が密接な関係が有ると書いてある。人は天道、人間道、修羅道、餓鬼道、畜生道、地獄道を輪廻しているという。夫々に陥った時に頼る観音様が天道では如意輪観音、人間道では准胝観音(天台宗では不空絹索観音)、修羅道では十一面観音、畜生道では馬頭観音、餓鬼道では聖観音と地獄道では千手観音様が助けてくれるという。寺を参拝していて良く目にするのは千手観音と十一面観音だ。地獄と修羅場を主どってくれる観音様だ。詳しくは解らないが整理がつくとすっきりする。

 

修羅道については天上に阿修羅が住んでいた時に美人の娘を既婚者の帝釈天に犯され怒り狂った阿修羅が何回も戦いを挑むが軍神帝釈天にはかなわない、そのたびに負ける。恨みを何時までも持って争うことは悪として天から蹴落とされ人間道の下に位した。それと強いものは正義と言う考え方もその時代にはあった。帝釈天が天界に残る理由だ。

今回も雨だ。旅に出ると毎回雨だと如何行いを改めれば晴れるのか見当がつかない。が今回は徒歩でないので気は楽だ。

先ずは斑鳩の法輪寺に行く。以前晴天の下法起寺から法隆寺まで歩いたことがあるが田園風景と寺と三重塔が有る風景は大変に気に入った。バスは味気ない。
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飛鳥風の長い顔の仏像の中に平安初期作と言われる技法は荒いが十一面観音様がおわした。大らかな作りで大きさも大きく荒れた心をリラクッスさせてくれる。犬歯を向いた顔や目を剥き怒りを表した小さな顔が頭上に十ヶ程ある。後ろに大爆笑するやや大きめな顔がある。大らかな作りの仏像本来の顔が安心感を与えてくれる。
菩提樹の花と三重塔

 

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道筋の法起寺国宝の三重塔 バスの車窓から。
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若草山の麓で食事となる。
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東大寺の二月堂も近くだ。
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次いで大安寺。東大寺より大きな寺だったという。
灯篭の窓からお坊さんを見る。
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大安寺本堂 御簾の陰で見られなかった、通路の横からちらっと見えたが。重文の立派な物だ。
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西大寺に向かう。昔 西の京から西大寺まで歩いたし、佐保路佐紀路を歩いた時も東大寺転害門から歩いて訪問した。このお堂に入るのは初めてだ。錫杖を持った大きな十一面観音様だ。長谷式と言われ長谷寺のそれとよく似ている。
西大寺四王堂
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法華寺に行く。光明皇后を模して製作したという美しい国宝の十一面観音様だ。美しく有りがたい。国分尼寺総本山であり施薬院という病院やリハビリの風呂をを作り医療福祉に力を注いだ。
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千人施浴の伝説を伝える「から風呂」
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すぐ裏の海龍王寺にも重文の立派な十一面観音様が有り和尚さんが観音様の前の飾りを取って見やすくしてくれたり説明もしてくれ大童だった。有りがたいことだ。
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敷地が狭かったため建立当時から五重塔は室内に之を安置していたという。国宝の五重塔。
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これで初日は終わりだが寺々で説明を聞き納得したことも多くすさんだ心も和んできた。
今日は長谷寺の大きな十一面観音様から始まる。
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舞台作りになった本堂。巨大な十一面観音様が安置されている。
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室生寺金堂の数体の仏像と十二神将は目を見張る。入口近くにあるふくよかな十一面観音様も国宝で有りがたい。
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白洲正子が初めて聖林寺に十一面観音を訪ねた時の住職様は明治の初めに小僧の時、廃仏毀釈で大神神社の神宮寺の大御輪寺が破壊され縁の下に捨てられていたその国宝の十一面観音様をフェノロサと一緒に荷車で聖林寺に運んだという話をしてくれたとあった。
聖林寺
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聖林寺から三輪山方面を望む。聖林寺の本尊は大きな石地蔵様だ。
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不自然な防火・耐火の一室に特別に飾られていた。木造の本堂になくても特別な有りがたさを感じさせる十一面観音様だ。四月に談山神社の桜をめでた時、途中下車し拝観しようと思ったが時間がないので自重した。今日ユックリ拝観出来て二ヶ月ぶりに目的を果たした。

 

後は京都駅まで途中は四月に歩いた山の辺の道を右手に見ながらバスに揺られた。

どの観音様もいつまでも怒りを持ってないで新たな希望をもって前進しなさいと言ってくれた。年取れば余計にそうだ。

参考 

 

八十八観音巡り様のHPです。

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コメント

たしかに仏像を見ていると己が心の小ささ醜さを教えられます。

佐平次さん あと何年と何となく感じられると平和にと願うばかりです。

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