お水取り お松明
お水取りは春=正月を迎える行事だ。古代日本の風習に仏教、神道が混合した。東大寺二月堂の行事は実忠和上が笠置寺で行っていた物が東大寺に伝えられたという。
陰(水)陽(火)は森羅万象の基本で、陰陽が和合し世の中の事象が発生する。新たな陽気が萌えいずるを喜び若水を飲み若水で洗い新生するのを待ち望むのだろう。
古代では各寺で行われていた。現代奈良では薬師寺でも行われている。
十一面観音様に悟りを求め至らぬを懺悔し新生を祈る。懸命に祈る事により自分ばかりでなく全ての衆生に利益が行き渡る。聖武天皇の政治はトップダウンでなく民衆から湧き上がる信仰を期待したという。国分寺もその思想で各地に建立された。
十一面観音悔過(けか)という行法で一ヶ月に渡る。十一人の練行衆が全ての行事を実行する。
別火と言い特別な火を起こし、その火で生活し、お清めをする生活から始まる。
紙着(かみこ)と言う着物を紙で作ったり、はなやかに飾る椿の造花や南天を作り餅を搗き祭壇を飾る。
厳しい修行を一か月に渡り行う。3月に入ると二月堂の舞台を松明が走り回る。12日は籠松明という特別大きな松明が走る。
13日の早朝に二月堂の近くにある閼伽井から神聖な水が汲まれる。香水という。香水と一緒に万病に効くと言われる牛黄が仏壇に供えられる。神聖なお供えに薬が含まれるのは発見だ。若水で新生を牛黄で無病息災をお願いする。
昼間の二月堂 中央の杉は良弁杉。良弁は東大寺開山。
7時半に松明の行事が始まるが2時間前には上図の右端より更に右に到着し狭い空間はすでに満員。立位でずーっと待つ。寒さが和らいだのが救いだ。堂の下は入れ替えなしの特等席だが我々は右の階段の更に右に待機し2本目の松明が動き出すと階段を上り直ぐに右に誘導され退場となる。
上図左の登り廊下に大松明を運ぶ練行衆の足元を明るく道案内をする松明が見えてきた。案内が2・3度上下してから籠松明が上る。
上の火が舞台上の火、下は登廊を登る火。
長い太い竹先の籠松明を空中に突き出しぐるぐる回す。
静かに退場す。
左から右に駆け足で7kgの籠松明を移動させる。
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近くで見ると怖かったんじゃない?火事になりそう。。。
一か月も大切にされてきた火なんだね。寒くても守られていたんだね
投稿: ひろちん | 2018年3月15日 (木) 23時10分
ひろちんへ 火事になったのは江戸時代に一回あった切りだと云う。安心して見られた。新たな気持ちで生活しなくては。
投稿: 江戸川風景4 | 2018年3月16日 (金) 06時27分